オーナー視点の注文住宅おすすめ情報

工務店で新築注文住宅(マイホーム)を建てる上20社以上のハウスメーカー、工務店を見て回ったり、100時間以上かけて学んだ建築知識や体験談を綴るブログ

ヒノキヤ ハウスメーカー回想録その6

ハウスメーカー回想録ということで、話を聴いたハウスメーカー工務店のすべての会社の資料を取っていたり、メモを取っているわけではですが、覚えている限りのハウスメーカー工務店を見て回った回想録を書いていきます。
※すべて私の独断と偏見です。

今回は、

ヒノキヤグループ桧家住宅 さんについて

www.hinokiya.jp

【特長】

斎藤工さん・・・ではなくZ空調(ゼックウチョウ)

要は全館空調システムです。

全館空調のメリットは家中のどこにいても、一定の温度でいられることです。だからトイレや脱衣場で寒い思いをしたり、ヒートショックが起きる可能性を下げることができます。

またヒノキヤさん曰く、全館空調システムにすることで、月当たりの光熱費が壁掛けエアコンと比べて600円程度節約できるそうです。

そこそこの断熱・気密性能

これまで紹介してきたハウスメーカーさんと違い、きちんと断熱性能を公表していました。
断熱性能はUa値0.57
平成25年省エネルギー基準値よりも34%高く、そこそこの断熱性能を持っているといえます。

また、機密性能はC値0.7
これもC値1を切っていて高気密住宅と言えます。

【感想】

全館空調システムは割に合わない

全館空調システムを売りにしているヒノキヤグループですが、これにつきます。

全館空調システムについては私も検討をしたことがあるのですが、どう考えても「割に合わない」んです。

私の家は壁掛けエアコンですが、高気密高断熱の家で、間欠空調(必要な時だけエアコンをつける)にしていますので、正直全館空調システムよりも電気代は安くなっていると思います。

ただ、仮に全館空調の方が電気代が安くなるとして、ヒノキヤさんのカタログに載っている月当たり600円電気代が節約できたとします。

600円×12か月×10年間=72,000円
が全館空調にすることで節約できる電気代です。

それに対して、導入費用は111万円~です。これもヒノキヤさんの謳い文句としては、通常の全館空調システムは200万~250万するのに対し、ヒノキヤなら111万円と「半額程度ですよ」とのことなのですが、それでも高いですよね。

壁掛けエアコンなら1台10万円~15万円なので、
15万円×4台=60万円で設置できます。

差額は70万円ほどあり、それに対して10年で節約できる金額はたったの7万円です。

それにメンテナンスコストもかかります。
エアコンって10年程度で大体調子悪くなると思いますが、壁掛けエアコンなら調子悪くなったエアコンだけその年の最新のエアコンに買い替えることができますが、全館空調長が調子悪くなったら、修理費用にも交換費用にも数十万円から100万円ほどかかってしまうことになるわけです。

これってそこそこのリスクを抱えることになると思いませんか?


【総評】

正直、桧家住宅の家よりもさらに高い断熱機密性能を確保すれば、全館空調でなくても十分に家じゅう寒くないし熱くないです。
断熱性能はHEAT20のG2グレード、機密性能はC値0.5程度が一つの目安になると思います)

このあたりの話は、結局は限りあるコストをどこに振り分けていくか、ということなのだと思うのですが、その費用を全館空調システムに100万円単位で掛けるか?
が論点になると思います。

別に全館空調システムにお金をかけることを全否定はしませんが、その前に断熱・機密性能にもっとコストをかけて、それでも資金に余裕があるのであれば全館空調を検討してもよいかもしれません。
その場合には、斎藤工さん・・・ではなくZ空調を検討してみてもよいかもしれません。


ではでは今回はこの辺で。
ハウスメーカー工務店選びの参考になりましたら幸いです。

ミサワホーム ハウスメーカー回想録その5

ハウスメーカー回想録ということで、話を聴いたハウスメーカー工務店のすべての会社の資料を取っていたり、メモを取っているわけではですが、覚えている限りのハウスメーカー工務店を見て回った回想録を書いていきます。
※すべて私の独断と偏見です。

今回は、

ミサワホーム さんについて

www.misawa.co.jp

【特長】

特長は以下の二つに集約されます。

耐震性能

耐震性能は、相変わらず他のメーカーと同じく「耐震等級3」という表記は見られないのですが、独自研究結果をでかでかと出しているので、「恐らくしっかりしているんだろうな」という印象です

「蔵」について

営業さんにミサワホームの特長を聴いたら開口一番に出てきたのがこの「蔵」でした。
家の中に半地下のような空間を確保して、そこを収納にして、収納部をまとめることで、他のエリアを広々と使いましょうという発想です。

ただ、収納は各部屋に適度にあるほうが、最適な場所に最適なものを置きやすくなるし、正直あんまりピンときませんでした。

もしかしたら、ミニマリストを目指していて、生活空間にはには本当に最低限のものしか置きたくなくて、必要なものはその蔵にとりに行くという生活を許容できる人であれば会うのかもしれません。

後は、蔵は部屋とカウントされないように作るということで、建ぺい率に含まれず税金対策にもなるのかな?いずれにせよそんなに大きなメリットは感じられません。

【感想】

①営業が不誠実(に感じた)

思い出すのは、営業さんが不誠実だったなということです。
ただこれはあくまで推測の域を出ませんので、あくまで「そうなのかな」くらいの印象です。

何があったのかというと、2度目の訪問で具体的なプランニングと見積もりを出してもらうために、住宅展示場に向かっている際、担当の営業さんから約束の30分ほど前に電話がかかってきました。

その内容は「子どもの体調が悪くなり、学校に行けなくなり、妻の予定が合わないため、子どもの面倒を急遽見なければならなくなったので、担当を別のものに変えさせていただきます」という内容でした。

電話を受けた時は「それなら仕方がないかな」と思ったのですが、冷静に考えてみると、その日は休日だから学校って通常ないだろうし、約束は午後だったので、そんな時間に急に子供の体調が悪くなって、急に学校いけなくなって、奥さんの都合がつかなくなって、商談に入れなくなるってあるのかな?と思いました。

恐らくですが、前のアポかなんかが長引いて、私のアポに間に合わなくなったのでそのように連絡をしてきたのだと思われます。ただ、これはあくまで予測なのでもしかしたら、本当に子どもの体調が急遽崩れて、、ということがあっただけなのかもしれません。

ミサワホームというと南極基地のCMが有名ですが

あれって、恐らく住宅の工法と全く違いますよね?
だから本当に「南極基地建ててるから寒さに強い」っていうなんとなくのイメージを持つかもしれないけれど、実際には他のハウスメーカーと同じく、断熱・機密性能ともに全く性能値を出していないので・・・性能面については高くないということだと思います。

【総評】

単価も安くないし、特段の特長があるわけでもない。
よっぽど自身の今後の生活と「蔵」のある生活がマッチする人であればもしかしたら良いのかもしれませんが、正直ミサワホームへはどういう理由で注文住宅を依頼するのか逆に知りたくなりました。


ではでは今回はこの辺で。
ハウスメーカー工務店選びの参考になりましたら幸いです。

積水ハウス ハウスメーカー回想録その4

ハウスメーカー回想録ということで、話を聴いたハウスメーカー工務店のすべての会社の資料を取っていたり、メモを取っているわけではですが、覚えている限りのハウスメーカー工務店を見て回った回想録を書いていきます。
※すべて私の独断と偏見です。

今回は、

積水ハウス さんについて

www.sekisuihouse.co.jp

【特長】

鉄骨についてはダイワハウスと同じ

鉄骨造についての感想は、メリットもデメリットもだいたいは前回書いたダイワハウスと同じです。

木造(Shawood)について

大和ハウスも木造はあるのですが、正直積水ハウスのシャーウッドと比べるとブランドが立っていない感じです。
シャーウッドの特長は独自工法で、木造でありながら、鉄骨造のような大開口部が作れて、自由度の高い設計ができる点だと思います。

また、積水はよいデザイナーがいることが有名で、自由度のある工法を利用した、センスの良い設計をしてもらえる可能性はあると思います(が、パンフレットに載るようなセンスの良い家を別に求めていない人にとってはもったいない選択になると思います)

【感想】

①営業姿勢が不快だった

まず言いたいのは、営業姿勢が非常に不快でした。
まあ、私のような若造が住宅展示場に足を踏み入れたことも悪かったのかもしれませんが、営業さんから開口一番に聞かれるのは年収です。

そして、タブレット端末を使って、「●●さんの年収ならいこのくらいの住宅プランが立てられますね」という金額ありきの足元を見た対応をされたことはとても腹立たしかった記憶がある。その金額も、こちらのことは全く考えず、住宅ローンを変動金利でフルで借りた場合を想定した金額を示して、まったくお客様の立場に立っていないのだなという営業姿勢を感じた。


②客観的な性能値を示してないことも他のハウスメーカーと同じ
ここは前回の記事でアキュラホームさんに書いたことと同じです。
恐らく鉄骨造なので、耐震性能は確保されていると思いますが、断熱・機密性能についての性能値の記載は一切ありません。


【総評】

単価が高いので、資金に余裕があり、センスの良い住宅を建てたいが、建築家に頼むのではなくて大企業に頼むことの安心感も得たいという人には向いているハウスメーカーだと思います。

坪単価は90万円~120万円程度だと思いますので、工務店と比べると1,5倍から2倍です。
大手ハウスメーカーは長期保証が魅力の一つだと思いますが、保証についてはよくよく考えていただくことをお勧めします。

まず、「保証の中身」です。
基本的に構造についての保証(例えば雨漏りとか家が傾いたとか)は瑕疵保険です。瑕疵保険とは家を建てた時に、建て方に不具合があったと認められる場合です。
それ以外の経年劣化による不具合は通常保証の対象(つまり無料で直してもらえること)ではありません。
通常、雨漏りなどの不具合は最初の1,2年目でおきますので、それは瑕疵と認められて保証の対象になるでしょうか、仮に10年後にそれまで雨漏りがしていなかったとして、急に雨漏りがしてきて、それは瑕疵(建築時に建築方法が誤ったことによって起こったこと)と認められて保証の対象に100%なるのかはわかりません。


保証の中身は書面上で確認するとともに、上記の用場合も保証の対象になるかどうかは、口頭で営業さんに聞くだけではなくて、書面の形できちんと残して確認をするべきでしょう。そうして初めて本当の「安心」が得られるのであって、なんとなく大手だから、長期保証してくれているからというのは単なる安心感を与えられているのにすぎません。



そして、その保証を受け続けるためには10年点検、15年点検と5年から10年ごとにメーカーの言われるままに修繕を行い、修繕費を払い続ける必要があります。そして、その修繕費用は相場と比べて通常安くはないです。

そしてそして、大手ハウスメーカーは、通常構造設計を自社独自仕様で行っており、耐震計算の根拠を社外に公表していない(役所への申請時に構造計算を省略することができる4号建築物 特例という制度を利用している)ため、構造部分に影響するような修繕やリフォームは、どんだけ高い見積もりになっても最初に頼んだハウスメーカーに頼まない限りは、構造上安全と言える改築はできなくなってしまいます。

大手ハウスメーカーに頼む際は、そして大手ハウスメーカーの謳う長期保証の話を聞く際は、こうしたことも踏まえて情報収集をして、検討されることを強くお勧めします。

ではでは今回はこの辺で。
ハウスメーカー工務店選びの参考になりましたら幸いです。

大和ハウス ハウスメーカー回想録その3

ハウスメーカー回想録ということで、話を聴いたハウスメーカー工務店のすべての会社の資料を取っていたり、メモを取っているわけではですが、覚えている限りのハウスメーカー工務店を見て回った回想録を書いていきます。
※すべて私の独断と偏見です。

今回は、

大和ハウス さんについて

www.daiwahouse.co.jp

【特長】

鉄骨造

鉄骨造であることが私が思う唯一のダイワハウスの特長です。
・鉄骨造なので、地震に強いです。
・それと大開口の間取り(例えば広い窓)を作れます
・4階建て以上の賃貸併用住宅などを建てやすいです

最低二つはよい部分を出そうと思って、パンフレットやウェブサイトを見返したのですが、出てきませんでした。。

あえて言うと、大手ハウスメーカーには優秀なデザイナーさんもいますので、運が良ければ、そういう設計士さんに当たれば、センスの良い設計をしてもらえると思います。

【感想】

①鉄骨造のデメリットも考える必要がある

パンフレットを見ると、当然鉄骨造のメリットしか載っていませんが、デメリットも考える必要があります。
デメリットの一つは値段が高いことです。
坪単価で90万円~110万円ほどすると思いますので、工務店などと比べると、坪単価が1,5倍~2倍になります。

もう一つのデメリットは熱伝導率の高さです。
木造に比べ、金属は当然熱の通しやすさ(熱伝導率)がおよそ1000倍ありますので、夏は暑さを、冬は冷たさを金属の構造を通じて室内に通します。

それが故に、内部結露も起こりやすくなるというデメリットがありますし、何より夏涼しく、冬暖かい環境を維持することが難しいです。


②客観的な性能値を示してほしい
ここは前回の記事でアキュラホームさんに書いたことと同じです。
恐らく鉄骨造なので、耐震性能は確保されていると思いますが、断熱・機密性能についての性能値の記載は一切ありません。

換気システムによるクリーンな環境について謳ってはいますが、以前の記事でも触れたとおり、機密性が確保できていない住宅では、換気システムもきちんと機能しません。

【総評】

単価は高いので、資金に余裕があり、鉄骨造と大企業に頼むことの安心感を得たい人には向いているハウスメーカーだと思います。
ただ、耐震等級3を取得している住宅でも壊れる断続的で強度の高い地震が起きても倒れない家を想定して作った場合、おそらく周りの住宅の99%は倒壊していて、その家だけが残っている状態だと思います。そうした規模の地震が起こり、その状況でその家に住み続けるというかなり稀有な状況を見越して家を建てたいのかは改めて問いかけて、それでもそうした家を建てたいのであれば、ダイワハウスさんを含めた鉄骨住宅で注文住宅を建てることをお勧めします。


アキュラホーム ハウスメーカー回想録その2

ハウスメーカー回想録ということで、話を聴いたハウスメーカー工務店のすべての会社の資料を取っていたり、メモを取っているわけではですが、覚えている限りのハウスメーカー工務店を見て回った回想録を書いていきます。
※すべて私の独断と偏見です。

今回は、

アキュラホーム さんについて

www.aqura.co.jp

【特長】

①特長はカンナ社長という職人上がりの社長さん

宮沢社長が有名で、TV番組の「ガイアの夜明け」や「カンブリア宮殿」でも取り上げられたようです。

②現場主義

現場主義で職人を大切にされている印象があります。専属の大工さんに仕事をお願いしていて、安心感が持てます。
また、色々な工法を自宅で実験して使ってみてから実用化を図っているそうです。

③アキュラシステムという見積もり方法

柱一本からいくらかかったかを出していくスタイルで、消費者目線に立った営業スタイルも特徴です。
(※部材や1加工あたりの詳細見積もりを出してくれる工務店さんはアキュラホームさん以外にも結構あります)

【感想】

①客観的な性能値を示してほしい

専属の職人さんや工法を前面に出した「匠の技術」や、「地震に強い家」、「夏は涼しく、冬は暖かい」という特徴の説明がありましたが、客観的な性能値の説明がないので、それは出せないのだと思いました。

客観的な性能値を出せる状況であれば、それをパンフレットでも、営業さんからの説明でも堂々と出せるからです。(例えばアキュラホームさんが客観的な性能値を示せるであろう耐風等級については「耐風等級2の基準を超える」という打ち出しをされていました)

地震への強さであれば、耐震等級でどのくらいの強度なのか、耐震等級3と比べてどのくらいの強度がある家なのか。

住宅の温湿度やライフサイクルコストであれば、断熱性能や機密性能はどのくらいなのか。

それらの客観的で、住宅には非常に重要な指標がパンフレットに全く示されていないということは、それらを示すことができないということです。

少なくとも私はそう判断しました。

そして上記と同様の感想は、今後9割のハウスメーカーに対して持つことになります。

②パンフレットが充実

設計をした住宅事例のパンフレットだったり、家づくりを考えるにあたって考えをまとめていく「家づくりIDEA NOTE」というパンフレットは、家の雰囲気や間取り、予算、優先順位を決めていくうえでとても役に立つものだったので、資料請求をするか、住宅展示場を訪れてもらう価値ありです。

【総評】

単価は安いようなので、そこそこの値段で、そこそこの性能で、「職人さんにしっかりとした家づくりをしてもらえそう」という安心感を持ちながら家づくりをしたい人で、工務店よりは規模感のある会社に頼みたいのであれば選択肢に入れてもよいのかなと思いました。