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工務店で新築注文住宅(マイホーム)を建てる上20社以上のハウスメーカー、工務店を見て回ったり、100時間以上かけて学んだ建築知識や体験談を綴るブログ

ハウスメーカーと工務店回想録その1

話を聴いたハウスメーカー工務店のすべての会社の資料を取っていたり、メモを取っているわけではないのですが、覚えている限りのハウスメーカー工務店を見て回った回想録を書いていこうと思います。

なぜこれを書こうと思ったのかというと、世の中にはなぜその工務店に決めたのかという工務店ハウスメーカーが発信している情報はありますが、意外と実際に工務店ハウスメーカーを回って、どう感じてなぜその工務店に決めなかったのかという情報は世の中に少ないなと思ったので、工務店ハウスメーカー選びの参考になればと思い、書くことにしました。

まずは、前回の記事で書いた、工務店や建築家の照会サービスを行っているthe houseさんから紹介してもらった工務店から。

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1社目は、社長が大工上がりで昔ながらの工務店 中野工務店

無垢材の良さを利用した伝統的な設計が売りの工務店さんで、引き渡し間近のお家の見学会に行きました。

職人肌の社長さんに直接説明をしていただきました。
坪単価は本体工事費で大体70万円。
設計は確かに好みの和風で素材もよく生かしたデザインがされていると思いました。

ただ、「きちんと断熱」「●●の金物を使用した耐震設計」「パッシブ設計で夏涼しく冬あたたかい」といった言葉はあるものの、具体的に断熱性能はどのくらいなの?耐震等級の標準は?といった数字を示すような説明はなく、個別に相談をして決めていくスタイルであるとのことで、性能にこだわりたい身としては不安に感じました。

また、職人肌の社長さんは頼りがいがある感じもありますが、逆に言うと、機嫌を損ねられないなという感じもあって、言いたいことがあったとしても「職人のプロの言うことを聞いておけ」といった雰囲気が感じられ言いたいことを言えなそうだな(対等な関係でモノづくりを進めるのが難しそう)と思い、候補から外すことにしました。

2社目は、家の防音性能や柱の太さにこだわった工務店 玉川ハウジング

なぜ防音性能かというと、私が防音室を作りたかったからです。防音室のことについては改めて別の機会に書きますが、この工務店さんのお話は、最終的に防音室を作る際にもとても参考になりました。

坪単価は50万円ほど。

金額としても悪くないし、国産の桧を構造材に使用したこだわりを持っていましたし、断熱・機密性能にもこだわっていて、ZEHはHEAT20といった具体的な数字を用いた基準をしてしていただいた点も評価していました。

こちらの工務店は最後まで迷ったのですが、最終的には以下の2点つの理由で断念しました。

①高気密高断熱仕様はオプションであること

オプションで高気密高断熱にしている工務店と、標準で高気密高断熱にしている工務店である場合、機密・断熱性能への信頼度は後者の方が高いと思いました。

それはつまり、お客様にはその会社のこだわりとして、一定以上の機密・断熱性を持った住宅に住んでほしいという会社としてのメッセージがそこにあると思うからです。

②会社としての信頼性

別のこちらの工務店に信頼性がないわけでは決してないのですが、高砂建設と比べた場合の規模の大きさと、保証制度の充実度(高砂建設の場合は第三者機関による保証制度がある)を考え、こちらの会社を選びませんでした。

3社目は、建築士の方が営業担当も務める工務店 DAISHU

結論から言うとこの会社は問題外でした。

その謳い文句どおり、建築士の方が打ち合わせに来られて説明をしていただきました。自然素材を利用し、カタログを見てもオシャレなつくりですし、耐震等級3を標準にしていて安心感も持てました。

しかし、住宅の性能のことについて質問をして、その回答を1週間程度で頂けるということだったのですが、2、3週間経ってもその後、音沙汰がありませんでした。

まあ、もしかしたら私が面倒くさい質問をして、煩わしかったのかもしれません。しかし、それを約束したことを平気で破る理由にするのであれば、それだけの人間性であり、それだけしか信頼度の持てない会社だなと判断しました。

4社目は、地元で断熱・機密性能にもこだわっている工務店D社

※地元のため名前は伏せます

本体工事費は坪単価50万円弱と、ハウスメーカーと比べれば安いです。

自宅から比較的近くにあり、職人さんの顔もわかりながら頼めるところに魅力を感じました。

棟梁も人ですから、地元の顔が見える相手の家づくりでは手も抜けないだろうし、しっかりとやってくれるだろうと思ったからです。

この会社に選ばなかった理由は次の通りです。

①耐震等級3、断熱性能がオプション

2社目の会社の項目でも書きましたが、「耐震等級は2か3」「断熱はグレードをあげればZEH基準の仕様にできます」といった性能をオプションにしている姿勢は、選べるという良さもありますが、会社として必ず顧客にその価値を提供すべきという意思が感じられず、標準仕様として耐震等級3や断熱性能を装備している会社と比べた場合に信頼度が低いと判断しました。

特に耐震については、地盤調査をして地盤からどのくらいその土地が揺れやすいのかを計算して示してくれて、制振装置を取り付けた方が良いという説明があったのですが、それであれば制振装置の前に耐震等級3をマストにすることをなぜしないのかと疑問を持ちました。

また、断熱性能はZEH基準までの性能はありますが、私はHEAT20のG2グレード(HEAT20についてはこちらの記事で触れています)というZEH基準よりも高性能な断熱性能を求めていたこともあり、それを望めないと思った点も選ばなかった理由の一つです。

②営業力

こちらの工務店は具体的に検討をしていたので、2度ほどどんな間取りにできて、その場合にどのくらいの金額になるのかの打ち合わせをしたのですが、正直でてくる間取りの内容に希望があまり反映されないし、防音室を希望していたのにその内容は概算でも見積もりに反映されていなかったりという部分があり、この営業さんと魅力的な家づくりをして行けるイメージを持てなかったなと思った点も大きかったと思います。


以上です。
工務店選びの参考になりましたら幸いです。

工務店の情報収集方法はこれ!(後編)

前回の記事で、ハウスメーカーと違って、情報が少ない工務店の情報収集方法として、工務店の情報を紹介してもらえるthe houseさんというサービスをご紹介しました。
the house


今回は、具体的に私がどのような相談をthe houseさんにしたのかをご紹介します。

工務店を5社紹介された

the houseさんの担当の方と面談をして、どのような家づくりをしたいかについてヒアリングを受けました。
その中で、このブログでもいくつか紹介している通り、その時点でも家の性能(機密や断熱など)について結構調べていたため、家の性能にこだわっていて、信頼度の高い工務店が合うのではという話になりました。

しかし、まだその時点では本当にどのような工務店が自分に合うかわからないため、いろいろなタイプの工務店を5社ほど紹介していただき、具体的に訪問するアポイントまで取っていただきました。

1社目は、社長が大工上がりで昔ながらの工務店 中野工務店
2社目は、家の防音性能や柱の太さにこだわった工務店 玉川ハウジング
3社目は、建築士の方が営業担当も務める工務店 DAISHU
4社目は、地元で断熱・機密性能にもこだわっている工務店D社(地元のため名前伏せます)
5社目は、最終的に家づくりを依頼することになった高砂建設という埼玉にある工務店です。

※私の主観です。

実は5社目の高砂建設は当初は候補から外していたのですが、ザ・ハウスの担当の方から「性能にこだわっているのであれば高砂建設は合うと思いますので話だけでも聞いてみては」という一言に背中を押していただいたことがきっかけで、最終的に満足のいく会社に巡り合うことができました。


では次に具体的な相談事例をご紹介します

具体的な相談内容①:工務店選びをしている時の相談

これは口コミサイトで調べればすぐに出てくるので書きますが、私が結果申し込んだ高砂建設さんへの口コミで、10年以上前に施主さんのお宅のお害虫駆除をする際に、害虫駆除会社が誤って薬品を撒いてしまい、その家に住めなくなり、その施主さんともめているという事件があることを知りました。

気になりましたが、こういうネガティブなことを直接工務店の方に聞いてよいものか迷い、the houseの方に相談したところ「気になることは気にせず聞いていただいて全く問題ないですよ」という回答を頂きました。

結果、営業担当の方に直接伺ったところ経緯と、今は社長も2代目に代わって管理体制も変わり、経緯はあるものの結果的に施主ともめてしまったことは事実なので同じことが起こらないように施主の方とのコミュニケーションをしっかりととり対応しているという回答を頂きました。

しっかりと真摯にご説明いただき、想いも伝わってきましたし、10年前のその出来事があったことで、この工務店を選ばない理由には全くならないと思い、最終的に高砂建設さんに契約を決めました。

実際、家づくりを進めるうえで小さな行き違いがあった際も、非常に丁寧に対応いただきました。
引き渡し後も、つい先日も建具のことで相談した際に、すぐに代替品を用意してくれて駆けつけてくれて対応してくれました。

引き渡し時に「引き渡して終わりではなく、ここからもお付き合いをお願いします」という言葉を頂いたのですが、言葉通りとても丁寧に対応いただいていて、引き渡し前、引き渡し後のどちらも安心感をもって住めています。

具体的な相談内容②:契約後の設計時の相談

契約後、間取りや窓の位置などの設計の打合せを進めることになるのですが、設計打合せの終盤になって、色々な要因が重なり、結果として法律上の日射量を取るために窓を一つ増やさなくてはならなくなってしまいました。

正直こちらには非がないのですが、こうした住宅の打合せというのは初めてのため、何をどこまで工務店と交渉してよいものかわかりません。

具体的には窓を一つ増やすとなると、窓の費用は当然、窓に取り付けるためのカーテンレールやカーテンの費用も余計に掛かってきます。
工務店さんとのお付き合いもあるため、こちらとしてはどこまで要求を言うべきか迷った際に、ザ・ハウスさんに相談したところ、「あの時ああ言えばよかった、ということを我慢して進めてしまうと、結果的に完成後も不満を持ってしまうことになる。お金がかかることなのですべての要求が通るわけではないかもしれないが、筋の通った要求であれば思っていることはお伝えしたうえで、どう進めるべきかを相談すればよいと思います」と言っていただきました。

その甲斐もあり、工務店さんと相談をし、私にとっても納得のいく落としどころで進めることができました。

初めての家づくりをする身としては心強い相談相手

このように、工務店選びも大変ですが、家づくりをスタートさせた後も、工務店さんにとっては年間何十棟、何百棟建てているかもしれませんが、我々オーナー側(施主)としては人生で初めての経験なわけです。


だからわからないことも多い中で、ザ・ハウスさんのような立ち位置で家づくりのプロの方に相談できるサービスはとても心強いし、第三者検査も行ってくれるサービスがついていて、施主にとっては得しかないなと思いました。


ひとつ前の記事でも書きましたが、特にザ・ハウスさんから宣伝費用頂いているライターとかではないです(笑

ですが、利用してみてお勧めできると思いましたし、情報がないという理由だけで、ハウスメーカーしか家づくりの選択肢に入れないことはとてももったいないことだと思いましたので、今回記事にいたしました。


注文住宅を建てる方の参考になりましたら幸いです!!



工務店の情報収集方法はこれ!(前編)

私は注文住宅を建てるにあたって、ハウスメーカー工務店合わせて20社ほどの話を聞き、最終的に工務店で建てることに決めました。

理由は、ハウスメーカーよりも質が良くて安い家が建つからです。
そして多くの方が心配される保証についてもハウスメーカーとそん色ありません。


しかし、工務店選びには一つ非常に大きなハードルがあります。
それは、ハウスメーカーと違って、情報が少ないことです。

全国に無数にある工務店の中から、自分に合う工務店はどれなのか、工務店の特長や坪単価はどのくらいなのか、そういったまとまった情報を知るすべがないので、調べようがないのです。

とはいえ、情報が少ないという理由だけで、一生に一度の大切な「家づくり」を任せる選択肢を、住宅展示場に出ている大手ハウスメーカーのみに絞ってしまってよいのでしょうか?

それは非常にもったいないことです!!


そこで、私が利用したサービスがthe houseさんでした。(※特にザ・ハウスさんから広告費用とかもらってませんよ!)
the house


サービス内容を簡単に説明すると、

・完全無料
・希望に応じて審査に通った工務店を紹介してくれる
・サービスとして、不動産コンサルタントとして有名な長嶋 修さんが設立したさくら事務所によるホームインスペクション(建てた住宅に欠陥がないかの検査)を受けられる

といった特徴があります。

もう少し具体的に説明すると

どんな家づくりにしたいかの相談ができて、
希望に合った工務店を紹介してもらえて、
工務店に話を聴きに行くための予約もしてもらえます。

三者の相談先になる

また、個人的に一番良かったことは、家づくりについて、ハウスメーカー工務店以外の第三者の方に相談できたことです。

意外と家づくりのことについて客観的な意見を言ってくれて相談できる人って少ないんですよね。

なかなか友達や職場の人に家づくりのことって話しにくかったり、そもそも家づくりについて知識がなかったりしますし、ご両親で家づくりしたことがあったとしても、ご両親が建てた時と今ではだいぶ住宅環境や技術が変わっている可能性があります。


the houseさんのビジネスモデルとしては、工務店との契約が成立した際に、工務店さんからマージンを取るということなので、間接的には関係がないとは言えませんが、それでもメーカーの営業さんと話すよりははるかに客観的な意見をいただけますし、工務店さんとのやり取りで迷ったときにも相談にのっていただけました。


具体的にどのような相談をしたのかについては、長くなりましたので、また次回の記事でご紹介したいと思います。


ちなみに、少しだけ触れた不動産コンサルタントの長嶋修さんのyoutubeチャンネル面白くてよく観るので、最後にご紹介だけしておきます。

一種換気と三種換気どちらが良いか?

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この記事は約5分で読めます。

換気システムの種類については前回の記事で書きましたが、ではどちらが良いか?

結論から言うと、私は1種換気にしました。

どちらを選ぶべきかについてはいろいろな考え方があります。
その一つはコストですが、コストからみる換気システムの選び方については、いろいろな人がいろんな意見でブログや動画をあげていますが、私はそれとは別の観点で選びましたので、その考え方について書きたいと思います。

ちなみに、コストからみる換気システムの選び方についてはおそらく松尾設計室さんの動画を見ていただくのが一番わかりやすいと思います。

一種換気 つけたほうがいいかどうか自分で判断する方法


私が1種換気にした理由は、単純に「できるだけ家の中で寒いと感じたくないから」です。


まあ一条工務店さんのように、家じゅうに床暖房をつけたり、24時間全館空調をするような家なら、どちらでもよいんでしょうが、我が家のライフスタイルとしては必要な時にエアコンをつける間欠空調の方が合っています。

その場合、エアコンをつけない状態でもできる限り家の中が寒くならないことは私にとって家の快適性を考えるうえで非常に重要だと考えたからです。
実際、我が家は関東地区ですが、冬の一番寒い時期で外気が0度前後になる時期に、夜はエアコンを消しますがそれでも朝エアコンをつける前の室温は大体18度くらい、下がっても17度くらいまでしか下がらず、床も素足でもスリッパがないと歩けないというほど冷たくもなっていません。

こうした環境は私にとってはコスト以上に重要な要素です。
わざわざ注文住宅で家を建てるのであれば、自分にとって快適だと思える環境を判断軸の第一にすべきだと私は思います。

ブログや動画では、わかりやすいのでコスト比較をしたコンテンツが多くみられますが、「快適さ」はお金に換算できないですよね?
数字上で示される「こちらの方が得」という情報は確かに明確でわかりやすいですが、それよりもあなた自身がなにをどう感じるか、どういう環境に身を置きたいのかを優先させるべきだと思います。

そのうえで、コスト比較をすれば、それがあまりにも費用対効果から外れすぎているのか否かや、自身が投資すべき金額として適切かの参考になると思います。
ちなみにコストでいうと、松尾設計室さんがわかりやすく計算していただいていますが、設置費用やランニングコストは1種換気が高くなりますが、その分エアコンにかかる電気代が節約できるため、30年くらいのスパンで見た場合は1種換気の方が優位になるようです(もちろん諸条件によって結果は異なります)。

いかがだったでしょうか。少しでも家づくりの参考になりましたら幸いです。
ではでは。

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住宅の換気システムの種類について

この記事は約3分で読めます。

 

住宅の換気システムは基本二種類です。

 

一種換気システムと三種換気システム。

 

【一種換気システム】

吸気(空気を室内に取り込むこと)も排気(空気を室外に出すこと)も機械で行います。

〈メリット〉

①熱交換(外部と内部の空気熱を機械で混ぜること)するので夏は外の熱い空気が入りにくいし、冬は冷たい空気が入りにくくなるので、室温が外気に影響を受けにくくなる。

②三種換気と比べると、高性能なフィルターを通せるので、綺麗な空気を室内に送れたり、外気の湿気も調節して室内に送れる。

 

〈デメリット〉

①設置費用、電気代、メンテナンスコストが三種換気よりも高くなる。

 

【三種換気システム】

排気は機械で行って、吸気は自然吸気(出て行った分の空気を外部と繋がった菅から圧力の変化を利用して取り込むこと)します。

〈メリット〉

①設置費用、電気代、メンテナンスコストが一種換気よりも安い

 

〈デメリット〉

①一種換気の逆で、外気の温度や湿度に影響を受けやすい。

②気密性能が低い家の場合、自然吸気が機能しない(機械で排気した分の圧力を利用して吸気口から吸気を行う仕組みだが、気密性能が低いと吸気口以外から空気が漏れたり入ったりしてしまうので穴の空いたストローと同じく空気を吸気口から取り入れることができない。)。

計画通りに換気ができないと、空気が入れ替わらない空間ができてしまい、健康にも良くないし、住宅の構造が痛む原因となり得てしまう。

 

以上換気システムのそれぞれの特徴についてまとめました。

では私はどちらを選んだのかについてはまた別の記事で書きたいと思います。

 

ご参考になりましたら幸いです。

ではでは。