GEOパワーシステム メーカー回想録その14(番外編)
前回に回想録シリーズの最後と書きましたが、「13回」という数字が演技的に良くないなと思ったことと、GEOパワーシステムという地熱を活用するシステムのパンフレットが出てきたので、工務店やハウスメーカーとは少し違いますが、番外編として少し書きたいと思います。
ハウスメーカー回想録ということで、話を聴いたハウスメーカーと工務店のすべての会社の資料を取っていたり、メモを取っているわけではですが、覚えている限りのハウスメーカーと工務店を見て回った回想録を書いていきます。
※すべて私の独断と偏見です。
今回は、
GEOパワーシステム さんについて
https://www.geo-power.co.jp/www.geo-power.co.jp
【特長】
はじめにお伝えしておくと、GEOパワーシステムさんについては、パンフレットを取り寄せて調べただけで、直接見学に行ったわけでもありませんので、これから書く情報は基本的にGEOパワーシステムさんのパンフレットとウェブの情報をもとにしています。
個人的には、正直地熱の利用だけでは快適な住まいの実現は難しいと思っています。
地熱を利用した換気システム
井戸を思い浮かべていただくとわかる通り、地中の温度は1年を通して一定に保たれています。
例えば気温30度であっても、地中は15度程度。逆に真冬の0度であっても15度くらいはあるわけです。
だから熊さんは冬眠する際に地中に穴を掘ってそこで寝るわけですね。
この自然のシステムを利用して、地中に5メートルほどの穴を掘って、その地中の空気を循環して室内に取り入れることで、夏は涼しく、冬は暖かい環境を実現しようという仕組みがGEOパワーです。
機密、断熱性能も確保
地熱利用をするにあたって、外張り断熱工法で機密、断熱性能も確保したうえで、できる限り地熱で快適な環境を確保することを目指しているそうです。
【感想】
値段が高い
導入費用は調べてみたところ約200万円ほどするそうです。
いくら地熱を利用して、夏は涼しい空気、冬は暖かい空気を室内に取り入れるといっても、エアコンなしでは厳しいでしょうから、GEOパワーを導入するメリットとしては、電気代が多少節約できる程度です。
まあもちろん地球環境のために導入をする大義名分はあるわけですが、そのために200万円の設備投資をするのであれば、高気密高断熱化や、窓をより良いものにする、エアコンをより高性能で電気効率の良いものにする、1種換気システムを取り入れるといったことにコストを振り向けた方が良いと思います。
それでも予算が余っていて、どうしてもやりたいのであればよいのではないでしょうかというものだと思います。
実は我が家も地熱を利用しています
ここまで書いておいて何なのですが、実は我が家も若干ですが、地熱を利用した家に住んでいます。
私が選んだ高砂建設は、カネカ社が開発したソーラーサーキットという工法で家を建てます。
これは、GEOパワーのように地面に穴をあけるわけではないのですが、べた基礎から上がってくる空気を利用して通気層に通すことで、冬は外気より暖かい空気を通気層にためて家を温める構造になっています。
【総評】
別に思想としては悪い仕組みではないと思います。
ただ、導入費用200万円は高すぎる。。
恐らくここまでの費用になっている理由は、権利や施工ノウハウをクローズにして、パートナー企業にのみ共有をすることでマージンをあげているビジネスモデルだからだと思います。
まあ商売としてはせっかく開発した自社製品をそういう形で囲いたい気持ちはわからなくはないのですが、本当に良い製品で、地球環境のために広めたいと思うのであれば、情報もノウハウもオープンにしてコピーライトではなく思い切ってコピーレフトにして、施工数を増やすことでみんなで富を分配する。そういうエコシステムを組んでいくほうが良いように思いました。