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工務店で新築注文住宅(マイホーム)を建てる上20社以上のハウスメーカー、工務店を見て回ったり、100時間以上かけて学んだ建築知識や体験談を綴るブログ

注文住宅で後悔しないために1番重要な事!その5

注文住宅で家を建てることは、多くの人にとって人生で最も高い買い物。
だから後悔や失敗は絶対にしたくないですよね。

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結論から言いますと注文住宅を建てた経験からいうと、注文住宅において一番重要なことは気密性能です。

ここまで、このテーマでその1その2
その3
その4

と4回に渡り
なぜ注文住宅において気密が大事なのか?
気密性がないと健康に影響がある理由
どのくらいの気密性能が必要か?
大手ハウスメーカーの機密性能は?
なぜ大手ハウスメーカーの気密性は高くないのか
高気密な住宅を建てるためにできること

などについて書いてきましたが、今回は
 

について書いていきます。

気密性が低い家は寿命が短くなる

結論から書きますと、気密性が低いと家のいたるところに結露が発生しやすくなり、結露が家を支える木を腐らせるからです。
どういうことかもう少し詳しく解説します。


結露が起こる仕組み

そもそも結露はどうして生まれるのでしょうか?

中学校・高校くらいで飽和水蒸気量というのを習いますが、要は空気は暑いと多くの水蒸気を含めることができて、寒いと少しの水蒸気しか含めることしかできないということです。


つまり、暑くて多くの水蒸気を含んでいる空気が、急に冷やされると、その空気が水蒸気を含むことができなくなり、飽和水蒸気量を超えた分の水分が結露として気体から液体に変わり、それが結露となるということです。


気密性が低いと壁の中に結露が生まれる

気密性が低いということは、家の所々に隙間が空いているということです。だから・・・


夏は高温で多湿の外気が壁の隙間から入ります。そして多湿の外気が室内のエアコンで冷やされた空気とぶつかって、温度差で結露が生まれます。


冬は室内で発生した湿気(人体やキッチン、加湿器、電気器具など)から出る湿気がきちんと換気されず、室内と外壁の間の壁に入ります。
そしてその湿気を含んだ空気が、外気から入ってきた冷たい空気とぶつかって温度差から結露が生まれます。



そうして壁の隙間に湿気が溜まり、結露が生まれることになります。
こうした壁の中に結露が生まれることを「壁内結露」「壁体内結露」「内部結露」といったりします。

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http://showaalumi.net/45/139/ より抜粋


壁内結露(内部結露)は断熱性能も落とす

上記で紹介した画像のように壁ない結露が起こると断熱材も損傷させることになり、結果として家の断熱性能を著しく低くすることにもつながります。

壁内結露(内部結露)は建物の寿命を短くする

そして、壁内結露は建物の寿命を短くします。
結露した水分が柱や構造材を腐らせ、劣化させるからです。

柱や構造材が劣化してしまったら、例え新築時に耐震等級3を取っていようと、実際に地震が起こった時に、住む人の命を守ってくれるか分かりません。
たとえ自身で倒壊しなかったとしても、崩れやすくなっている家で大地震が起これば、命は助かったとしてもせっかく建てた家にそのまま住むことができなくなるかもしれません。


例え地震保険に加入したとしても、全壊時にでも火災保険の半額までしか保証されませんので、地震保険では家を新たに立て直す補償はされません。


気密性が低いといたるところに結露が生まれる

気密性が低いと、壁の中以外にもいたるところで結露が起こりやすくなります。


なぜなら、気密性が低いということは外気がいたるところから入ってき易くなるため、室内の温度差が激しくなるからです。

 
特に、玄関、トイレ、廊下、洗面脱衣所など通常は空調が効いていない場所と、それ以外の居室とで温度差が生まれ、それが結露を生むことになります。


全館空調は結露の問題を解決するか?

ここ数年でいえ全体に空調を行き渡らせる全館空調システムが大手ハウスメーカーの間で採用されることが増えています。

全館空調システムを使えば、室内の温度差は生まれないため、結露は起きなくなるのでしょうか?



確かに、室内の結露については置きにくくなると思います。
しかし、全館空調システムを使ったとしても、気密性が悪ければ、室内の湿気をうまく換気システムで排出することができないため、壁内結露(内部結露)については完全には防ぐことができないと思います。



また、全館空調をしたとしても、例えるなら真冬に穴の開いた服を着たままホッカイロで身体を温めているようなものですので、全館空調では本質的な問題の解決はできません。


それに、全館空調はただでさえ通常のエアコンと比べて設置コストやメンテナンスコストが掛かるのに加え、気密性のない住宅で全館空調を行ったとしてもランニングコストが多く掛かってしまうという問題もあり、費用対効果としても良い選択ではないでしょう。


まとめ

・室内の温度差が大きいとヒートショックで心筋梗塞脳梗塞の危険が交通事故の4倍あること
・結露がカビを生み、カビが生えるとカビを食べるダニが大量に発生し、カビやダニの死骸をすうとシックハウス症候群になり、健康への影響があることは以前の記事でも書きました。



日本では新築で家を購入したり、建てたとしても、30年で建物の価値はなくなるといわれてきました。
それはこれまでの住宅が30年経つと、それ以上住み続けられない家が多いからだと思います。


しかし、日本よりも厳しい断熱や気密の基準がある欧米諸国やドイツでは、日本のように住宅価格がなくなるような事はありません。



せっかく何千万円も掛けて建てる家なのですから、30年といわず、死ぬまで住み続けたいですし、願わくば子どもにも資産として残せる家にしたいですよね。

そのためにも、家電製品などと違って、家を建てる時にしかできない気密工事は家作りを考える時に確実に行うようにしましょう。


それにしっかりとした性能とメンテナンス性のある家であれば、ある程度の住宅価値を確保する動きも業界ではでてきました↓
https://www.best-value-home.jp/img/index/news_180807.pdf

ではでは長くなってしまいましたので今日はこの辺で。

ではでは