オーナー視点の注文住宅おすすめ情報

工務店で新築注文住宅(マイホーム)を建てる上20社以上のハウスメーカー、工務店を見て回ったり、100時間以上かけて学んだ建築知識や体験談を綴るブログ

注文住宅で後悔しないために1番重要な事!その4

注文住宅で家を建てることは、多くの人にとって人生で最も高い買い物。
だから後悔や失敗は絶対にしたくないですよね。

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結論から言いますと注文住宅を建てた経験からいうと、注文住宅において一番重要なことは気密性能です。

ここまで、このテーマでその1その2
その3

と3回に渡り
なぜ注文住宅において気密が大事なのか?
気密性がないと健康に影響がある理由
どのくらいの気密性能が必要か?
大手ハウスメーカーの機密性能は?
なぜ大手ハウスメーカーの気密性は高くないのか

などについて書いてきましたが、今回は
 

について書いていきます。

高気密な家を建てるために、買主としてできることは?

これまで、住宅を建てる上での気密性能の重要性を書いてきましたが、如何せんハウスメーカーの営業マンは知識や経験が豊富にあり、それに比べて買主は、人生で初めて家を買う初心者です。


買主として高気密な家を建てるためにできることはなんでしょうか?


それは、次の二つの質問をハウスメーカーの営業マンにすることです。

「施工時に気密測定はしますか?」


「こちらで建てた場合にC値はどのくらいになりますか?」

気密性能にこだわっているハウスメーカーであれば、必ず気密測定をします。

なぜなら、前回も書きましたが、気密性(C値)は耐震性能や断熱性能のように理論値で出せるモノではなく、施工後の現場で測定してはじめて、分かるモノだからです。


気密性にこだわっている工務店なりハウスメーカーであれば、気密測定をしてその現場での気密施工がどのくらいきちんとできているかを測定し、仮に気密施工に問題がある個所(隙間が空いている箇所)が見つかれば、その場所の気密施工をやり直します。








では、気密性にこだわりのないハウスメーカーは何と答えるか?

私の経験上次の3つのどれかです。

気密測定は希望があればやります

これは気密測定はオプションで、施主が希望すれば(通常5万円~10万円程度)気密測定をやるという事です。

このように気密測定を位置づけているハウスメーカーは、先ほど述べた気密測定をやらない会社と同じく、普段気密にこだわって施工していない会社です。


仮にそのようなハウスメーカーから「希望があれば気密性の高い家にもできますよ」と言われたとしても、普段から気密にこだわって家づくりをしているハウスメーカー工務店と比べて、高気密な家となることは期待できない(信頼できない)と思いませんか?


どんな分野でもそうだと思いますが、職人さんが日々熟練させている技術は一朝一夕にできるものではないのですから。


○○モデルハウスを建てた時に測った計測値ではC値は○○です

この説明をする営業さんの理屈としては、モデルハウスを建てた時と同じように施工するので、だいたい同じようなC値となるという事だと思います。。

この様に説明する営業さんは、気密性に関する知識がないか、もしくは素人である買主をごまかそうとしているかのどちらかです。


何度も述べております通り、C値は理論値では出せず、一軒一軒気密測定をして、はじめて計測できるものです。

仮に同じメーカーで、同じような構造で建てたとしても、一軒ごとに、間取りも違えば、配管、コンセントの位置、柱の位置も異なりますので、モデルハウス(あるいは他の施主が建てた家で)で計測したC値が、あなたが建てようとしている家で同じような数値が出るとは限りません。


気密は高くしない方が良いですよ

気密測定を行わない会社は、気密測定を行わなくても良い理由をいろいろ述べます。
それについては、これまで書いてきたこと、私以外にも多くの方が気密の意義について述べていますので、それぞれの意見を聞いて判断されてください。

例えば
「気密が高いと換気がされないので息苦しいですよ。」
→気密が高い方が、計画換気が働いて、むしろ汚い空気が換気され、きれいな空気が吸気されることは以前述べたとおりです。


「気密性能は法律で義務化されていませんし、断熱材がしっかり入っていれば冬温かいし夏涼しいですよ」
→気密が低いという事はダウンジャケットのチャックを開けてきているようなもので、冬は寒い空気が、夏は湿った熱い空気が室内に入ってくるという事です。また、健康には気密性の高さが重要であることも以前述べたとおりです。


「結局気密を高めて測定しても、換気扇の穴が開いているから意味ないですよ」
→日本でも1999年まではC値の基準がありましたし、気密測定はJIS規格でも定められています。
また、業界の圧力でたびたび削除されているようですが、省エネルギー基準に再びC値を基準化しようという議論は今もされています。また、世界中でもC値を住宅建設における基準にしている国はあります。
もしそのように言うのであれば、C値が換気や室内の温熱環境に影響がないことの根拠を示してもらいましょう。


ほとんどのハウスメーカーはそもそも気密測定すらしていない

大手ハウスメーカーを回ってみて知ったのですが、この気密測定は法律で義務付けられているモノではないため、そもそも気密にこだわりのないハウスメーカーは気密測定を行っていませんでした。

というよりほとんどのハウスメーカー工務店も含め)では気密測定を行っていませんでした。


残念ながら、これが今の日本の住宅環境です。
そういえば、先ほど書いていた気密測定を行う必要がないと主張するハウスメーカーの主張をもう一つ思い出しました。


「もし気密性がないと問題があるのであれば、日本の90%以上の住宅が問題あるという事になる。ほとんどの大手ハウスメーカーの立てている住宅が問題あるという事になる。だからそこまで気密性を気にする必要はありません」
→「みんなそうだから大丈夫」という理屈は日本人らしい理屈ですよね。こう主張する人には、このブログで紹介した知識をもとに、深堀りした質問をしてみてください。基本的に建築の知識がない人がほとんどです。


なぜ、ほとんどのハウスメーカーは気密性を意識しないか?

これは、ほとんどの施主がそこまでの知識なく家を建てるため、「求められないから」が答えだと思います。

もし気密性を高める施工をハウスメーカーが行おうとすると、
・職人を育成しなければならない
・高い技術のある職人を雇わなければならない
・気密施工をするため、工期が延びる
・気密測定をするコストがかかる
といった理由からコストアップをしなければならなくなります。


99.9%の買主は初めての家づくりで、建築に知識がほとんどない素人相手ですので、このブログで紹介してきた気密の知識なんか持っていない人がほとんどです。


ほとんどの買主から求められてもいない気密性を上げることで、コストが上がり、コストが上がることで、気密性を考えていないハウスメーカーに価格面で負けてしまい、お客さんを取られてしまうことになるので、気密性にリソースを掛けることをしないのだと思います。



逆に言えば、気密にこだわる家を建てるという事は、日本に立てられている住宅の中で少なくとも上位10%に入る性能を持った、健康的で快適な家に住めるという事です。


家づくりは一生に一度の一番大きな買い物です。
是非正しい知識を付けて、後悔のない、住んでみてよかったと思える家づくりにしていただきたいという思いで、ブログを書いています。


ではでは長くなってしまいましたので今日はこの辺で。

ではでは