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工務店で新築注文住宅(マイホーム)を建てる上20社以上のハウスメーカー、工務店を見て回ったり、100時間以上かけて学んだ建築知識や体験談を綴るブログ

注文住宅で後悔しないために1番重要な事!その2

注文住宅で家を建てることは、多くの人にとって人生で最も高い買い物。
だから後悔や失敗は絶対にしたくないですよね。

結論から言いますと注文住宅を建てた経験からいうと、注文住宅において一番重要なことは気密性能です。

その理由について、前回に続いて書いていきたいと思います。

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換気の目的は、健康を保つこと!!

前回の記事で2003年以降、シックハウス対策として住宅に換気システムを付けることは法律で義務化されたと書きましたが、そこで目指している換気量は、2時間で家じゅうの空気を入れ替えることです。

2時間で家じゅうの空気を入れ替える換気を行うことができれば、家具や建材、人体や家電製品から出る化学物質や二酸化炭素によるシックハウス症候群を防ぐことができ、健康に過ごせるという指標に基づき、法律が定められています。

つまり、換気システムを付けることは手段であって、目的は室内換気を十分に行って、室内で生活する人の健康を保つことです。
住宅における気密の重要性を理解する上で、ここをまずはじめに抑えておいてください。

気密性がない家は換気システムが機能しない。。。

気密性が取れていない家は、この健康を守るための換気システムが十分に機能しないんです。。。


下の図はハウスメーカーのヒノキヤグループ社長さんがブログで参照していたデータです。

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世の中で高気密と言われる基準はC値1程度ですが、この図を見ると、C値1でも計画的に換気扇から空気が入れ替わる給気量50%程度、C値2の場合で約30%となっています。
※C値は値が小さいほど家の隙間が小さく、気密性が高いことを表しています。C値の解説は前回していますのでそちらを参照ください。


つまり、ある程度の気密性がないと、いくら換気システムを入れたとしても、計画的な換気が行えないという事です。
そうすると、シックハウスを防ぐための基準である2時間に1回室内空気を入れ替えることが十分にできなかったり、空気が滞留してしまう場所が生まれてしまう可能性が高くなってしまうのです。


また、気密性が高くないとカビやダニが発生しやすくなることは前回述べたとおりです。

コロナの影響で換気の重要性は増している

最近では新型コロナウイルスの影響もあり、換気の重要性は高まっていますよね。
「窓を開ければよい」と考えるかもしれませんが、蒸し暑い夏も、極寒の冬も換気の為に窓を開け続けるのはとても快適な暮らしとは言えないですよね。


換気システムさえきちんと機能すれば、換気システムには通常エアフィルターが付いていますので、外気を取り入れる際に、空気中の埃やPM2.5などの有害物質、花粉などを取り除いてきれいな空気を室内に取り入れながら換気を行ってもらえるのです。

どのくらいの気密が必要なのか?

先ほど示した気密性能と換気量のグラフを見る限り、C値1以下が最低限目指すべき気密性能になると思います。


先ほどのグラフには時間軸が示されていませんが、最低でも50%以上給気口から空気が空気が取り込まれる(排気口から空気が出る)状態であれば、最低限換気システムは機能すると思います。


ちなみに私が建てた家の気密性能はC値0.3です。
(私の家の事はおいおい書きます)


大手ハウスメーカーの気密性能は?

私が調べた限りでは、多くの大手ハウスメーカーのC値は2〜5ですので換気システムを入れていたとしても20~30%程度しか給気口から空気を取り入れられていない家であることが分かります。

中途半端な気密性能が一番危ない

個人的にはこのC値2~5という中途半端な気密性能が一番危険であるように感じています。


昔ながらの日本家屋は気密性がほとんどなかったため、隙間風が入るような構造でした。
だから家の中で囲炉裏があって火を焚いても一酸化炭素が篭ってしまうようなことは起こりませんでした。


それに比べて、中途半端に気密性のある住宅は、空気が籠りますが、籠った室内の空気を換気するための換気システムが十分に機能しないからです。


長くなってしまいましたので今回の記事はここまでにして、次回以降に


・なぜ大手ハウスメーカーの気密性は高くないのか?
・高気密住宅は欠陥住宅になりにくい理由


などについて書いていきたいと思います。


ではではまた次回

ではでは